JAMES GROMAN × INSTINCTOY オリジナルコラボ怪獣プロジェクト第二弾!!
怪獣キラー 1st color “Eye of the Mountain”の発売を記念しまして、『怪獣キラーの全て』と題し企画立案から完成迄の経緯や作品へのこだわりをBlogに綴ります。
第一弾プロジェクトとして2016年に発売したKING KORPSEはお陰様で世界中で大好評を頂く事が出来ました。JAMESさんと一緒にもっと魅力的な作品を作りたいと想い2016年の夏に第二弾プロジェクトについて彼と話合いました。
このBlogの筆者でありますINSTINCTOY代表の私(大久保)は、JAMESさんの世界観から生み出される作風が大好きで、彼がこれ迄影響を受けてきた映画やコミックの話に以前から大変興味を持っていました。1960年に生まれ、永年に渡り様々な古き良きアメリカの文化に影響を受けたJAMESさんのコンテクストから生み出される作品を、ソフトビニールというキャンバスでより魅力的な形に仕上げたいという想いから、彼との仕事を楽しんでいます。
第二弾プロジェクトでのINSTINCTOYと JAMES GROMANの共通イメージとして『一番強くてカッコいい怪獣ソフビ』を作りたいというコンセプトを元に、本企画はスタート致しました。そんな中、彼が提案してきた作品名が『怪獣キラー』でした。怪獣キラーは、”怪獣界の食物連鎖の頂点”に立つ様な存在。但し、『悪』では無く『正義』。凶悪な怪獣達から人間を守る”伝説の精霊”や”守り神”といった存在。
通称”山の目”と呼ばれるその存在は、山に篭りひっそりと人間界を見守っているというバックストリーも有ります。
こうしてデザインに関するミーティングを終え、作品のコンセプトやバックストーリーがまとまった上でJAMESさんが提出してくれた2つのデザイン案が数日後に届きました。
<コンセプト1>
コンセプト1は、期待していたイメージにぴったりの作品で初見で魅了されました。
<コンセプト2>
コンセプト2は、コンセプト1よりも確かに”守り神”や”精霊”といったイメージを捉えられているものの、食物連鎖の頂点に君臨する力強さには欠ける印象でした。
そして、コンセプト2をベースにコンセプト1の力強さを注入したデザインへと繋がっていきます。
そこから、やはり初見の印象が良かった<コンセプト1>のデザインをベースに進行していく流れとなりました。
<コンセプト3>
世界観を演出する武器や防具のデザインも加わり、ベースとなるデザイン案が完成です。このデザイン画を元に、ひとまず怪獣キラー本体をJAMESさんのハンドメイドによる粘土原型製作の開始です。
途中経過としてJAMESさんが送ってくれる製作進行途中の写真は、いつも届くのが楽しみでわくわくしました。
途中、JAMESさんの体調不良もあり予定より原型製作の進行に遅れがでましたが、2017年5月に本体とマスクの粘土原型が完成致しました。
原型製作はここからがINSTINCTOYの仕事となります。粘土原型完成後、本体を3Dスキャンして立体造形を精密にデータ化致しました。
JAMESさんと幾度と無くミーティングを繰り返し、ボディーバランス、筋力の強化、パーツ分割の細分化、細部のデザイン調整を繰り返し最終製品版モデルとなる現状をブラシュアップしていきました。
JAMESさんとのやりとりはいつも本当に楽しく、フィーリングの相性が非常に良い為、お互いが作品のイメージを伝え合う事にどんどん理想形に近づいて行きました。こうして、数ヶ月間掛けて完成したモデルがこちら。
(※左:JAMES GROMAN粘土原型モデル/右:INSTINCTOY 3D修正原型モデル)
原型のブラシュアップにあたり、最も注力したポイントは”力強さ”です。JAMESさんのオリジナルデザインの世界観を壊さない様、とにかく”怪獣界の食物連鎖の頂点”に君臨するパワー!迫力と存在感の造形演出致しました。サイドからのイメージをご覧頂ければ特に変化を感じて頂けるかと思いますが、胸筋と背筋のボリューム、姿勢等を研究と検証を繰り返し製作いたしました。
デザイン自体の大きな変更箇所と致しました、左肩に装着する”ショルダーアーマー”です。当初のJAMESさんのデザインでは、腕に装着する防具のイメージでしたが、肩への装着を提案した所、彼も快諾してくれ造形してくれました。そこから想像膨らませ『戦いで肩を負傷した怪獣キラーが、寄生型の甲殻怪獣を”治療”と”強化”の両面の目的から寄生させる形で敢えて肩に装着している。』というストーリーを思い浮かべ、リデザインを施させて頂きました。つまり、肩の甲殻怪獣は寄生しながら生きているという設定を表現する為、目玉は別パーツで製作し目線の位置を可動により変更可能な仕様になっております。
(※左:JAMES GROMAN粘土原型モデル/右:INSTINCTOY 3D修正原型モデル)
また、今回の作品でINSTINCTOYとJAMES GROMANのコラボレーションを象徴する表現といたしまして、前作のKING KORPSEでは心臓にLIQUIDをさせて”共存”を表現致しましたが、新作の怪獣キラーでは”相棒”として”共存”しています。ストーリー設定と致しましては、侵食液体モンスターとして戦いの時に手助けし、敵の体内に侵食して液状化させる術を持っている、怪獣キラーのパートナー的存在です。INSTINCTOYのオリジナルキャラクターであるLIQUIDをデザインベースに、怪獣キラーの世界感にあわせリデザインしました。一つ目でツノもあり、液体の感じもLIQUIDより少しリアルに表現しています。怪獣キラーの左腰に装着の麻袋に脱着可能な仕様になっております。
続きまして、付属品パーツのご紹介です。怪獣キラーには、世界観を演出する為の付属品パーツが、JAMESさんのデザイン当初から色々とアイディアが飛び交いました。
<コンセプト1>からデザイン画に登場しておりましたスカルコレクションは、一部デザインを変更し製作致しました。これ迄怪獣キラーが倒して一部の怪獣の頭骨を、ハンティングトロフィーとして保管しコレクションしているという設定です。商品には麻の紐を付属しておりますのでアクセサリーとして怪獣キラーの装飾品として首から掛けられる仕様となっております。
アクセサリーの次は武器です。武器も”鉄製の剣”や、”怪獣の背骨で製作した斧”、”大きな蟹ハサミ”等、怪獣キラーに武器のデザインはどれか?それとも複数製作するか。など、JAMESさんと共に色々と協議を重ねた上でたどり着いたのが”ドラゴンの羽”から作られた剣を武器として製作する事になりました。
羽の根元の骨には、上記でご紹介して4種類のスカルコレクションが全て装着可能となっております!
全長34.5cmのドラゴンの剣を怪獣キラーが振りかざす様は圧巻です。
存在感抜群のドラゴンの剣に負けない、最強の甲羅の盾もご用意しました。
こちらも、怪獣キラーがかつて戦って勝利した怪獣から剥ぎ取って製作したというストーリー設定。強固な甲羅の裏側に鉄製の取っ手を取り付けたデザインになっております。持ち手部分には滑り止めに乾いた布を巻きつけているのがデザインのポイントです。
この盾を掴める様にする為、左腕の手首はボールジョインで製作し、怪獣キラーが盾を装備できる構造に仕上げました。ボールジョイント箇所は、リストバンドで隠しております。
続いてはスカルマスクのご紹介です。モノアイの”スカルマスク”は、JAMESさんが粘土原型を製作途中に出たアイディアです。怪獣キラーのLOGOや、ストーリー設定としても登場する怪獣キラーの通称”山の目”の刻印が額に刻まれた意味深な防具。
こちらのスカルマスクは顔以外に、右肩にも装着可能な構造になっております!
質感や造形を細部までリアルに表現する為、ソフビフィギュアとして究極クオリティーを追求、関節可動は勿論、目玉パーツや鼻ピアス、イヤーカーフといった細かいアクセサリー迄全てパーツ分解致しました。こうしてついに3D原型が完成です。
こだわり抜いた3Dデータを出力して原型を製作。蝋型→元型→量産型へと以降し、ついにソフビの完成です。
目玉パーツをは、数十種類のデザインから厳選しております。
ドールアイを使用しておりますので、リアリティーも抜群です!
補足ですが、相棒のMONSTER LIQUIDの目にはラインストーンを使用。こちらもイメージ通りの仕上がりです。
記念すべき1st colorは、是非ともJAMESさんにお任せしたいと思い、完成したばかりの成形素体をアメリカへ送りました。ソフビとなった怪獣キラーの実物は、JAMESさんにも大変気に入って頂く事が出来ました。
KING KORPSEと並べてもこの通り、ソフビの素体ですら迫力負けしておりません。
数日後に完成した、JAMESさんデザインのオリジナルカラーは最高にかっこいい仕上がりでした!!
オリジナルカラーの完成と共に、JAMESさんが怪獣キラーの世界観をイメージしたイラストも描き上げてくれました。冒頭でご紹介したバックストーリーの通り”人間を守る為に多くの怪獣達に立ち向かう勇姿”が描かれた一枚です。
JAMESさんから彩色見本として本体をお預かりし、当社の契約工場で徹底研究。JAMESさんが考案した、この最高にクールなオリジナルカラーは、クオリティーを一切落とさず量産してお客様の元に届けたい一心で量産に臨みました。
60体を生産するのに約2ヶ月を要し、工場の中でも選りすぐりの塗装技術師10名が彩色マスク型もほぼ使用せず本体全体の97%がハンドペイントでの製作となります。
右肩腕のみ(リストバンド&ハンドパーツを除く)だけでも突起の数は約82本で、工程数は何と584工程!! 本体全体では数千工程に及ぶ恐ろしく手間と技術を要する量産品です。
2019年6月末日、ついに1st colorの量産が完了です。そして、7月初旬に無事にINSTINCTOY ART STUDIOに到着です!プロジェクト開始から約3年。この光景が見れる事を待ち望んでおりました。
本体〜商品パッケージまで、怪獣キラー 1st color "Eye of the Mountain"量産モデルの全貌を細部まで徹底的にご紹介させて頂きます。
納期にはこだわらず、兎に角良い作品に仕上がる迄作り続けるというスタンスを貫いた甲斐がある、本当に魅力的な商品に仕上がりました。工場では最終工程の組み立て作業時に、量産のベースとした参考資料のJAMESさん彩色サンプルを見失う程、見事な量産を実現出来ました。
全高約34cmのでボリュームのあるマッシブなボディーに、世界観を演出する豊富な武器や防具の装着が可能。
額に紋章が刻まれたスカルマスクは、顔と右肩に装着出来、雰囲気がガラリと変わります。
武器となるドラゴンの翼から作られた『剣』は、付属する4種の怪獣の頭蓋骨(スカルコレクション)を、持ち手の柄の部分に取り替え装着が可能です。
防具の『盾』は、甲殻怪獣の甲羅から作られており、裏側の造形までしっかり作り込んでおります。持ち手部分の作り込みにもご注目下さい。
防具の盾は、武器として出来る設定でデザインしております。盾を振りかざす姿も圧巻です!
左肩に装着のショルダーアーマー(防具)は、戦いで負傷した怪獣キラーが治療と強化を目的に敢えて肩に甲殻寄生怪獣を寄生させている。という設定をイメージし、つまり『生きている』状態を表現する為、目玉をボールジョイント構造で製作し目を可動出来る様にしました。両目ともに目線を変える事が可能です。
上記にて、3D画像でご紹介させて頂いておりました、今回の”コラボの象徴”となる『MONSTER LIQUID』もこの通り、左脇の腰に装着の袋に可愛く?潜んでおります。
最後に商品パッケージのご紹介です。
怪獣キラーは、KINGKORPSEと同じくオリジナルデザインの”麻袋”で製作致しました。本体のボリュームと沢山の付属品により、KING KORPSEよりも一回りサイズが大きくなっております。
こちらもお馴染み、本革製シリアルNo.タグが付属! 怪獣キラーのLOGO & 1st colorのカラー名は金の箔押しです。限定60体をシリアルNo.は1点1点レーザー刻印しております。
KING KORPSEでは紐留めとして製作しておりました付属のメタルピンは、怪獣キラーではメタルピンにいたしました。ピンバッジとして、お好みのポジションに装着して下さい。
怪獣キラーはダイナミックなポージング以外にも、武器や防具などの豊富な付属品以外にも、詳細なストーリー設定を本体細部各所のディティール表現で”物語”を詰め込んだ作品です。作品を手にして頂いた方には是非、作品の世界観をご堪能頂けると幸いです。
企画立案から約3年の月日を掛け、満を辞して完成したJAMES GROMAN × INSTINCTOYの最新作『怪獣キラー』をどうぞ宜しくお願い致します!
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